【温泉の湧出量】

 地下資源にあまり恵まれていない日本であるが、火山国日本は温泉には恵まれている。昭和五十八年の我が国の温泉総湧出量は一八四万一二九三リットル/分、全源泉数一万九七六八で割ると一源泉当たり平均九三リットル/分の湧出量になる。一年間の湧出量に換算すると、九億七〇〇〇万立方メートルとなり、一〇万トンタンカー九七〇隻になる。

 表4は昭和五十五年の温泉湧出量の上位二〇の番付である。横綱は別府と草津である。別府の湧出量は八万五四五四リットル/分で抜群に大きい。草津がこれに次ぐ。三万リットル/分台の指宿、伊東、湯布院が大関、二万リットル/分台の箱根、熱海が関脇である。一万~一万五〇〇〇リットル/分台の白浜、蔵王、勝浦、長島が小結である。なお、表4の湧出量の数値は、第四紀の火山活動による有力な地熱地帯でも、温泉源に無理を与えないで取り出せる熱水量の上限が四万~二万リットル/分程度であることを示し、今後の地熱開発の規模を考える数値として注目しなければならない。

 温泉の有効な利用度を見積るのに湧出量を施設の収容人員で除した、つまり一人当たりの温泉量で検討されている。一人当たり〇・五リットル/分以上であれば良好な風呂が維持できるといわれている。表4にあげた温泉場は日本の主要な温泉地であるので、いずれも温泉を潤沢に用いているといえよう。

表4 温泉湧出量番付表(ℓ/min)

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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