【海外研修の実施】

 レジャー、バカンス等の言葉が流行し始めた昭和四十年代には、旅行が職場や家庭で話し合われ、生活の中に織り込まれてきた。箱根も観光客が年々増加し、洋室、バス、トイレ付客室の増改築工事が盛んに行われ、明日への夢がふくらむ時期であった。そのような時代の流れの中で、経営研究委員会(委員長勝俣武夫)は国際観光地としての箱根の将来に資するため、欧米先進観光地の視察を企画した。先ず、四十六年、四十七年にはハワイのホテル施設、観光客受入体制やユニオンの実態などを視察、また州観光局を交えた研修会を開き、一週間程度の短い日程ではあったが充実した視察を実施した。四十八年、四十九年は、より以上の成果を狙い、日程も二週間に延長してヨーロッパ五か国の視察を実施した。特にスイスでは日程の多くを費やして、当時日本では耳慣れぬペンションやローザンヌの権威あるホテル学校などを視察した。また宿泊先のホテルではオーナーやマネージャーを交えて懇談会を開き従業員の雇用や外来資本の進出問題などについて活発な話し合いが行われた。参加者は帰国後、レポートを提出し、視察報告を行った。四回にわたる海外研修の参加者は一一〇名を超え、組合は一、五〇〇万円を支出したが、組合員の見聞をひろめ貴重な成果を得ることができた。
 なお、この研修に対しては県より二〇〇万円、町より九二万円の補助を受け、また小田原税務署は費用の七〇パーセントを経費として認めた。この点については組合執行部の努力と各自治体及び税務署の御理解があったことを特筆して置きたい。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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