【社団法人箱根温泉観光産業従業員退職金共済会】

 昭和四十八年石油危機の時代に入ると、企業における従業員の福利厚生の増進と生産性の向上は、経営の根幹をなすものとなって来た。このような状況の中で、組合員にも従業員の退職金に関する問題意識が急激にたかまって来たので、協同組合は労務改善事業の一環として最も業態に適した退職金制度をもとめて、経営研究委員会(委員長久保寺祐司)を中心に検討を重ねた。既設の中小企業退職金共済制度、税制適格退職年金、小田原商工会議所特定退職金共済制度、神奈川県中小企業年金福祉共済制度等への加入を指導すべきか、あるいは組合が中心の別の制度を発足させるのがよいか、様々な角度から研究をしたが、いずれも一長一短があり、結局、独自の制度を発足させる事がより適切であるとの決論に達した。
 それは、事業規模にバラツキがあり、全ての事業所が共通して採用しうる制度であること、また従業員の勤続年数が五年未満及び十年以上の二つの層に大別されるため、早期退職防止と長期勤続者への優遇措置を講ずる必要があること、更には、勤続五年前後の中堅クラスに重点をおいた運用を行い、勤労意欲の増進と、ひいては経営の安定、向上を図ろうとするものである。
 従って、所得税法施行令第六六条に基づく特定退職金共済制度を採用することとしたのであるが、同制度を実施するには民法第三四条に基づく公益法人としての適法性が求められているので、社団法人の設立に踏み切ったのである。法人設立は昭和五十二年十一月十一日に認可され、同五十三年一月一日より正式に発足した。
 現在、本制度に加入している事業所は一一四社を数え、加入従業員数は約一四〇〇人である。
 この制度の特色は、①掛金は一人月額一万六〇〇〇円まで非課税、②一時金又は年金のいずれかを選択出来る、③節税しながら合理的な退職金準備が可能、という点にある。現在理事長に勝俣武夫、専務理事に久保寺祐司が就任している。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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