【水系の汚染】

 芦ノ湖はかつて透明度一六メートルの明鏡を誇ったが、周辺の諸施設からの汚水の流入で汚濁が進行、透明度は三~五メートルに激減した。
 早川は沿岸の観光施設の雑排水、浄化不十分な下水の流入で悪臭を放つ流れと変わり、ゴルフ場で大量に使われる農薬のため小昆虫は死滅、ホタルやヤマメも姿を消した。
 須雲川は、上流付近を並行して走るバイパスの工事や走行車両のタイヤくず、オイルや冬季凍結防止剤散布等で水質が変化、「ハコネサンショウウオ」を初め水棲動物の生育が重大な悪影響を受けている。
 広範囲の樹木が伐採され地はだが露出したため、山自体の保水能力は著しく減少、雨水は地表を流れ去り、上水道や温泉の水源である地下水不足の原因となるほか、一時的に河川の増水による水害の原因ともなる。さらに防止策として砂防工事えん堤が多く作られ渓谷美を著しく悪くしている。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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