【堂ヶ島温泉】

 「箱根八里」―鳥居忱作詞・滝廉太郎作曲―で千仞(じん)の谷と唄われた早川の谷底にある古くからの温泉。幽玄(ゆうげん)で俗塵をよせつけない。箱根七湯の一つ。
 南北朝時代の臨済宗の高僧夢窓国師が開いた温泉と伝えられ、その草庵跡が残っている。小田原から箱根方面行きバスで三〇分、宮之下下車。標高四二〇メートルの国道から各旅館専用のケーブルカー又は
ロープウェーに乗り一二〇メートル下の温泉に着く。
 温泉は古来より湧出している自然湧泉と深さ三六四~八〇〇メートルボーリングした源泉があり、中央火口丘溶岩類の基底部に胚胎する温泉と、湯本などと同じ基盤岩類中の温泉が利用されている。温度五六~八〇℃。泉質、単純温泉、ナトリウム―塩化物泉、ナトリウム―塩化物・硫酸塩泉。
 温泉の周囲は早川の流れで出来た自然の庭園で、新緑や紅葉とよく調和する。白糸の滝、しらべの滝などがある。旅館二軒。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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