【宮之下温泉】

 新期外輪山浅間山の北麓にあり、熊野神社傘下の三角形の台地に開けた温泉。箱根七湯の一つ。標高四二〇メートル。国道一号線が小涌谷・元箱根方面と木賀・仙石原方面に分かれるT字路の分岐点に位置している。小田原から箱根方面行きバス三〇分。宮之下温泉又はホテル前下車。箱根登山電車宮之下下車。駅のホームの温泉飲泉所が好評。
 明治十一年、山口仙之助が開業した外国人専用の富士屋ホテルは箱根を国際観光地として発展させる先駆的役割を果たした。山口はまた、水力発電事業や湯本からの新道開削事業を興し、箱根温泉の近代化につとめた。
 この富士屋ホテルが温泉街の中心にあり、和風三層の建物が異色をはなっている。ホテルの対面には、古風な店構えで浮世絵や古陶器などの骨董を商う外国人むけのおみやげ屋が軒を並べている。この界隈を散策する外国人が多い。菊華荘は元御用邸。奈良屋は外輪山を借景した庭園で名高い。熊野神社をめぐる散策路がある。蛇骨川沿いの散策も近くて楽しめる。
 温泉の泉質、単純温泉、ナトリウム―塩化物泉など。源泉数三〇。宮之下共同浴場大閤湯がある。
 年中行事として、太閤ひょうたん祭り(八月四日)。旅館・ホテル一五軒。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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