【湯の花沢温泉】

 芦之湯で国道一号線から分かれ、駒ヶ岳に至る道路ぎわに位置している。小田原より駒ヶ岳経由元箱根行バス五〇分。
 神山と駒ヶ岳両火山の境を分けている湯の花沢に沿って、微弱な噴気孔や自然湧泉が分布している。明治二十三年頃、この自然湧泉が使われだし、湯の花沢温泉が誕生した。標高九五〇メートル。当初、宿泊施設はなく、はるかに相模湾を望む露天風呂がつくられた。自然湧泉は与右衛門湯、弘法湯、権現湯などと呼ばれる湧出口をもち療養にも用いられた。
 昭和二十六年、二十七年に弘法湯などで硫化水素中毒事故がおき、これを契機にして自然湧泉は使われなくなった。泉質、酸性―含硫黄―アルミニウム・鉄(Ⅱ)―硫酸塩泉など。
 昭和二十八年以降は蒸気井の開発が進められた。現在、火山性水蒸気を噴出している蒸気井は四本。ホテル一。ゴルフコースを有するこのホテルの暖房や温泉造成は火山性蒸気でまかなわれている。旅館・ホテル一軒。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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