【芦ノ湖温泉】

 芦ノ湖南畔の元箱根、箱根地区を総称して芦ノ湖温泉と呼んでいる。箱根で最も新しい温泉場。ここには源泉はないが芦之湯方面からの引湯で温泉利用の夢が実現した。標高七二五メートル。小田原より箱根行きバスで六〇分。熱海、三島、湯河原方面からもバスの便がある。芦ノ湖遊覧船の発着で人々がにぎわう。
 昭和四十一年、芦之湯宝蔵岳に掘られた温泉を約二キロメートル引湯して元箱根地区の温泉利用が始まった。昭和五十年、新たに湯の花沢で開発された蒸気井から噴出する豊富な火山エネルギーによる温泉造成が始まった。元箱根から箱根地区に引湯管が延長され、造成温泉が導かれて両地区の温泉利用が可能になった。泉質、単純硫黄泉(硫化水素型)。
 芦ノ湖温泉から見る「逆さ富士」は格別の美しさがある。風景の美しさにも増して歴史的遺産にも恵まれ箱根神社、箱根旧街道の石畳と杉並木、関所跡、恩賜箱根公園など多くの見所がある。箱根関所資料館には、江戸時代の関所や宿場資料が集められている。国重要文化財の万巻上人坐像などは箱根神社宝物殿に展示されている。
 年中行事としては、正月二・三日に東京―箱根間で争われる大学駅伝競走、箱根は往路のゴール。駅伝記念碑が湖畔にある。二月は箱根神社の節分。湖水まつり(七月三一日)・鳥居焼まつり・流灯祭(八月五日)。旅館一七軒。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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