【湯ヶ島層群】

 伊豆の湯ヶ島に広く露出する暗緑色の緻密な火山性海底堆積物にその土地の名称をとって付けられた地層名である。今から二五〇〇万年前、地質時代でいうと中新世、海底で行われた激しい火山噴火で数千メートルもの厚い火山性物質が堆積した。箱根では早川の堂ヶ島付近及び須雲川の奥湯本付近にわずかに露出する。しかし、温泉ボーリングではこの火山の基盤として広く存在していることが確認されている。
 箱根、伊豆地方の温泉は湯ヶ島層群中の割れ目系の中に胚胎されている。古くから、「湯ヶ島層群の露出するところに温泉はある」とか、「ボーリングが湯ヶ島層群に到達すれば温泉が得られる」などといわれて、湯ヶ島層群は温泉にとって重要な地層である。
 この地層は強い温泉変質作用を受け、緑泥石、沸石、方解石などの二次的鉱物が生じている。湯ヶ島層群の岩石が暗緑色をしているのは、緑泥石の生成による。湯脈の割れめには白色鉱物が生じている。それらは方解石、沸石、石英、曹長石などである。

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※本文書は昭和61年発行の『箱根温泉史』記載事項です。現在の事実とは異なる部分があります。

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