箱根のお宿に泊まってみました!
今回は「富士屋ホテル」
今回のモニターは、Instagramのフォロワー「izumanix様」さまです♪
「箱根のお宿に泊まってみました!」
この企画は、応募で決まった宿泊モニター様に、箱ぴた加盟のお宿に実際にご宿泊いただき、その感想をいただいております!
今後も様々なお宿で実施してまいりますのでおたのしみに♪
++++++++++++++++++++++++この企画は、応募で決まった宿泊モニター様に、箱ぴた加盟のお宿に実際にご宿泊いただき、その感想をいただいております!
今後も様々なお宿で実施してまいりますのでおたのしみに♪
「izumanix」さま
来年で創業145周年を迎える、箱根・宮ノ下にある「富士屋ホテル」。
明治からの伝統と歴史をいまに受け継ぐ、誰もが知る、老舗ホテルの代表格です。
2018年からの二年間にかけて、本格的な耐震補強や改修工事を実施。
創業142年目となる2020年7月15日(水)には、新たな姿へと生まれ変わりました。
富士屋ホテルと言えば、和洋折衷の建築群が広がり、壮大で見事な姿は華麗かつ唯一無二の存在です。
今回は、約7,600坪の敷地内にある、四つの宿泊棟のうちの一つ「西洋館」へ宿泊。
穏やかな秋の訪れにも包み込まれながら、まるでレッドカーペットのような赤い絨毯をゆっくりと進み、客室へと向かいます。
西洋館・ヒストリックデラックスツイン
西洋館は、明治39年(1906年)に建造。「カムフィ・ロッジ」と「レストフル・コテージ」の二棟からなる洋風建物で、「登録有形文化財・近代化産業遺産」にも登録された歴史のある建築物です。
5タイプの客室のなかから、私は「ヒストリックデラックスツイン」に泊まりました。
高い天井と広々とした空間には、ヨーロピアン調の家具やエレガントで厳かなしつらえ。
その一つ一つが何とも上品。ただぼんやりと過ごしているだけでも優雅な気持ちに浸れます。
天井や軒の装飾、鎧戸付きの上げ下げ窓などからも明治期の洋風建築らしさも感じ取れます。
日露戦争勝利後の好況期に建てられた客室棟ではありますが、改造もさほどされていないのだとか。
富士屋ホテルの建築のなかでも、最も創建時のままの姿であり続けている、貴重な存在です。
窓からは隣接する「本館」の姿も。
このアングル越しから眺められるのも、宿泊者だけの特権ですね。
バスルームもたいそうクラシカルで優雅なこと!
白を基調とした空間は、すっきりと整頓されつつも、ウッディ調が加わることで優しい印象。
蛇口をひねれば、直ぐに源泉100%の温泉浴でゆったり出来ます。
“15時にチェックインをしたら、直ぐさまお部屋で温泉を”
そんな過ごし方もありですが、先ずは用意されている館内着に着替えました。
(その理由は、また後ほどということで)
備え付けのアメニティの中には、館内着とは別に就寝用のパジャマも用意。些細なところまで本当に有り難いですよね。
ノルダックプレミアムウォーターやコーヒーマシーン(コーヒー、紅茶、緑茶)、電気ケトルなどもあります。
もちろん冷蔵庫もあるのですが、あまり見かけない仕様でしたので、記念に撮影しておきました。
温泉プール・スパ
さて、私が館内着に着替えて向かった場所はどこでしょうか。この案内図を見ているだけで、想像がついた方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
答えは、花御殿地下1階にある屋内の温泉プール「マーメイド」。
なんと、箱根・宮ノ下の天然温泉を使用しているのですよ。
事前に宿泊ゲスト専用のプールがあると調べていたので、水着や水泳帽、ゴーグルを持参。
ディナー前にお腹を空かせるために、ひたすら泳ぐ、はしゃぐ、泳ぐ……。
水温は30℃前後と心地よく、終始貸し切り状態だったのは、とてもラッキーでした。
※スパ画像はホテルより提供
その流れで、フォレスト・ウイング6階に新たにオープンしたスパへ。
浴槽からは宮ノ下の景観を間近に感じ取れる、雄大な景色が最高!
箱根七湯に数えられた名湯・宮ノ下温泉を、贅沢に堪能出来ます。
ホテル・ミュージアム
スパ後は、花御殿地下1階に新設された、「ホテル・ミュージアム」へも立ち寄りました。歴代の経営者たちの想いや試行錯誤、改修によって新たに発見された経営資料や書簡など、貴重なアーカイブを展示。
富士屋ホテルの誕生から現在に至るまでの140余年の歴史を振り返られる、立派なミュージアムです。
国内外の賓客一覧には、ヘレン・ケラー、チャーリー・チャップリン、三島由紀夫らの名前も。ジョン・レノンとオノ・ヨーコが宿泊していたことも有名ですよね。
王族や日本の皇室とのゆかりも深く、時代を感じ取れるモノクロ写真からは、その当時の様子が鮮明に蘇ってきます。
一旦客室へ戻り、ディナーに向けた身支度を。
ふかふかのベッドでごろんと休みたくもなるのですが、眠気よりもお腹の空き具合が勝ります。
日も暮れ始め、天井灯が格子窓に投影される姿に思わずうっとり。愛らしい花がほんわりと灯りました。
夕食・レストラン・カスケード
ディナーは、カスケード・ウイング3階にある、「レストラン・カスケード」にて。大正9年建築の旧宴会場「カスケードルーム」を復原したレストランは、華麗なステンドグラスや彫刻は竣工当時のまま、今回の改修で建物3階へと移設されています。
壁面にある鮮やかなステンドグラスが何とも幻想的!
中央には富士山、自然に恵まれた箱根が色とりどりに描かれ、数多くの社交場を見守ってきた証でもあります。
季節を取り入れたクラシックディナーは、独創的な料理の連続と言うよりは、落ち着いたモダンベーシックで構成。
“富士屋ホテルキュイジーヌ”を感じさせる、どこか懐かしいコース仕立てながらも、肩肘張らずに食事が出来ます。
時折、小さなお子様連れのゲストも見かけたので、家族で気兼ねなく食事をされたい方にもぴったり。
華やかな時代に想いを馳せながら、職人技が光る、頭上の欄間までもぜひ注目されてください。
夜の館内散策
“宿泊先で文をしたためる”令和の時代、そんな経験をすることも数少なくなりました。
しかしながら、富士屋ホテルに来ればすっかりその気にされてしまう、ノスタルジックな時間を過ごせます。
マジックルームの奥にある、古き良き味わいのあるデスク。
そこにひっそりと備わっているレターセットを発見し、嬉しくなって手を伸ばしました。
まるで往年の文豪たちが、定宿で数々の名作を生み出した格好を少しばかり真似するかの如く。
先にも伝えた通り、2020年7月の新装に伴って、ロビー周辺やラウンジなども昭和初期の状態に復元されています。
本館ロビー周りの彫刻も素晴らしく、ロビーカウンタ―側面では、あの源頼朝も出迎えてくれるのです。
レリーフの元となっているのは、建久4年(1193年)5月に源頼朝が多くの御家人を集めて、富士の裾野付近を中心として行った壮大な軍事演習「富士の巻狩」だとか。
実はこの原画も、「平成の大改修」によって発見されたそうです。
往年の調度品の一つ一つを、宝探しのような気分で愛でながら。
昼間とは違う穏やかな夜灯りのなかで、館内をゆるりと巡ってみましょう。
朝食・メインダイニングルーム・ザ・フジヤ
富士屋ホテルを象徴するレストラン、「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」。その美しい佇まいには目を見張るばかり。ただただ圧巻のひと言に尽きます。
和洋折衷の格天井には、日本アルプスの高山植物636種、蝶々238種、鳥507種が描かれており、欄間や柱の彫刻も豪華。
こちらも「平成の大改修」によって修復が行われ、原画の一部も発見されたのだとか。
オーセンティックスタイルのテーブルウェアが溶け込み、空間そのものがアート作品のよう。
洋朝食は7時半からスタートするので、少し早起きをしてでも、真っ先に向かいたくなる気持ちにさせてくれます。
4種のメニューから、一人一人が好きなものをオーダー。
私は「サラダブレックファスト フジヤ」、夫は「ペストリーブレックファスト フジヤ」をお願いしました。
こちらは「ペストリーブレックファスト フジヤ」。
フレンチトースト富士屋風、パンケーキ、シナモントーストが主役のメニューです。
それぞれ少しずつかと思いきや、きちんとボリュームもあって、心がときめいてしまう!
お好みで、はちみつ、メイプルシロップ、ホイップクリーム、ミックスベリージャムを添えて頂きましょう。
実は私、ほんの数日前にファスティングをしていたばかりのタイミングで……。
珍しくサラダメインのメニューを選んでいます。が、これが大正解。
彩り鮮やかな野菜は、目からも楽しむことが出来て、一口ずつ食べ進めるごとに、からだが喜ぶような感覚があったのを、今でも覚えています。
シンプルな生野菜だけでなく、味付けをした牛蒡やキノコなども加わっていて、全体のバランスがお見事!
全く食べ飽きることもなく、野菜そのものの旨みや甘みも味わい尽くせます。
コーヒー、紅茶、ハーブティーの中から、私はルイボスティーをセレクト。
ティーカップやティーポットなどの器は、日本の洋食器を代表するノリタケ、ナルミ、ニッコーで揃えられている点が流石ですね。
時間を忘れ、ひたすらゆっくりしながらの朝活。
この為だけに、また富士屋ホテルに泊まってみてもいいなぁ。なんて思ってしまうほどです。
庭園散策
朝食後は、宿泊者専用の庭園を散策。
4つの宿泊棟に囲まれた約5,000坪の庭園では、渓流のせせらぎに耳を傾けながら、季節の移ろいを感じ取ることが出来ます。
季節柄、キンモクセイの花の香りがふわぁっと漂い、深呼吸するごとに清々しい気持ちに。
日常の喧噪を忘れさせてくれる、自然との対話時間はとても心地良いです。
朝食でいただいたベーカリーが美味しかったので、お土産用にと「ベーカリー&スイーツ ピコット」でお買い上げ。
朝の9時から営業している国道一号線沿いの店舗では、宿泊者以外の方も気軽に購入可能。
食パンや名物のクラシックカレーパン、そして友人用のアップルパイを買いました。
自宅に帰ってからも、ホテルオリジナルのパンや焼き菓子を味わうことで、旅の余韻にも浸れて良いですよね。
さらに散策を進めると、ラウンジなどを利用する一般ゲストも立ち寄れる中庭があります。
ちょっぴりユニークなものを発見! なんと、郵便ポストがあります。
マジックルームのデスクでしたためていた手紙も、ここで投函できるという訳です。
連絡のやり取りも便利になった現代ですが、旅の想い出を大切な方へ手紙で伝えてみては如何でしょうか。
富士屋ホテルの至る所にある彫刻。実は日本の神話にルーツがあるのだとか。
その理由を今回初めて知ったのですが、創立当初の建物が宮ノ下の大火で焼失したことから、新たな建物には、火除けを意味する装飾が至る所に造られたと教えて貰いました。
神話に登場する動植物などがあちらこちらに施されていることにも納得ですね。
さて、たくさん歩きまわり続けたことで、そろそろ11時のチェックアウトの時間を迎えました。
朝食後にあらかじめフロント・レセプションでチェックアウトを済ませていたので、最後にマジックルームの奥へと向かいます。
ラウンジで喫茶タイム
本館1階にある「ラウンジ」、アップルパイと紅茶を愉しむ喫茶タイム。「アップルパイ、食べたことがあります!」もしくは「一度は食べてみたい!」という声も聞こえてきそうですね。
富士屋ホテルのラウンジで人気のアップルパイは、りんごのフィリングがごろごろとたくさん詰まっています。
爽やかな酸味とほのかなスパイシーさが、もうたまりません。
アイスクリームを添えるか否か、迷うところですが……私はアップルパイだけをシンプルに食べたい派。
サクッサクのパイ生地とともにアツアツを召し上がれ。
昭和52年のフロント移動時に姿を消したオーシャンビューパーラーを復刻したラウンジですが、個人的には庭園側のお席が好みです。
おやつの時間になると、宿泊者以外の来客も多く混み合うことから、あえて昼前に利用するのもおすすめです。
最後に・・
本館の唐破風の玄関を出て、改めて「西洋館」の外観を撮影。つい数時間前まで、この2階角の客室に泊まっていたなんて!
名残惜しさと、また再訪したいと願う気持ちが交差し、胸がいっぱいになります。
風にたなびいていたこのススキも、今はもう、穂絮がふわふわと舞っているかもしれませんね。
深まりゆく秋を越えて、そろそろ冬の足音も聞こえてくる頃でしょう。
明治、大正、昭和、平成と140余年の長きにわたり、時代を紡いできた、「新生」富士屋ホテル。
四季折々の季節ごとに、何度も足を運びたくなる、憧れのような優美さと郷愁を誘う厳かな寛ぎがありました。
「izumanix」さま、ありがとうございました!
「富士屋ホテル」の詳細はこちら
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✿今回のお宿
富士屋ホテル
ホテル前バス停徒歩2分。日本初の本格リゾートホテルとして誕生。
https://www.fujiyahotel.jp/
住所 :〒250-0404 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
TEL :0460-82-2211(受付 9:00 ~ 20:00)
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