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町内研修を終えて「芦之湯(はこにわ)との出会い」編by桐谷綾子

桐谷
箱根温泉おかみの会 理事 桐谷綾子です。

町内視察研修で訪れた新しい施設「はこにわ」への期待と「芦之湯」に思いを馳せて・・

 

 

芦之湯フラワーセンター

27年間親しまれた観光施設「芦之湯フラワーセンター」。
一年を通じ鮮やかなベゴニア、シンビジウム、カトレア、胡蝶蘭、オーキッドまでもあり、ハウス内は芳醇な香りを漂わせていました。正面には樹齢200年のガジュマルの大木があり、熱帯植物園として存在感が十分にありました。

芦之湯地区の皆様の維持管理、たゆまぬ影の力があったことを思い出しております。2015年閉館。

はこにわ&ドールハウス美術館

二年後、ミニチュアの家を展示した「箱根ドールハウス美術館」が誕生。
ドールハウスとは大人の工芸クラフト。
起源は16世紀頃、ドイツで貴族が愛娘の情操教育のため始まったと伝えられています。


2023年、さらにリニューアルし新たに複合施設、自然の中のミュージアムパーク「はこにわ」が4月26日オープン。その中にドールハウス美術館も収まりました。
館長は新美康明氏。
自らコレクションされたミニチュアの美術館。
リニューアル企画展『昭和の家と懐かしの国産名車』

レトロなダイハツミゼット、マツダコスモスポーツ、日産フェアレディZ432、全て1/43サイズ。他に欧米の車も展示されており、ドイツの高級車メルセデスベンツ、アメリカのキャデラック、映画ハリーポッターに登場する列車ホグワーツ特急。
玩具といえばメーカーから販売されるキット。夢中になって組み立てていた子供たち。グリコのおまけを集めたことなど懐かしい・・。

 

アンティークである作家の作品は100点以上。英国の文豪トーマス・ハーディのハウス。空ぶき屋根はココナッツの繊維を一本一本ほぐし制作されたとのこと。

※画像は箱根ドールハウス美術館WEBより

 

近年、ミニチュアドールハウスの世界でも日本人作家の活躍がめざましいと穏やかな口調で小山学芸員は語る。
ミニチュアの日本文化は古く雛(ひいな)もそう。小さくて可愛いもの語源は雛人形からきているのでしょう。
枕草子「なにもなにも、ちいさきものはみなうつくし」
小さなものに対する愛情、ままごと遊びの童具なども。

精巧精密作られた調度品、どの部屋からもその国、その楽しげな生活の様子が伝わってくる。

北原白秋

小田原をこまなく愛した近代文学者の北原白秋、天神山の伝肇寺本堂の西寄り、八畳一間の仮住まい。章子夫人と過ごされた木菟(みみずく)の家。この家は小田原文学館に存続。
1920年その隣に洋館の白秋山荘を建てることになり、その跡地ここにありと記されている。
関東大震災で失われるまでの三年間、白秋が過ごされた白秋山荘。1/12サイズで復元展示。
草稿やその他資料もお目にかかれる。心に響く童謡作家に会えたような童心と無垢の想い出を感じつつ・・・。
小田原文学館HP

モトロポリタン美術館
6本の大理石の柱で支えられているドールハウス。作者はアメリカの主婦アレグラ・モッツ(ミニチュアリストのパイオニアと云われる人物)。
ニューヨークのメトロポリタン美術館とモッツの名をもじってつけられたとのこと。
壁ぎっしりの絵画、ルーブル美術館にあるリンカーンの肖像画、ダヴィンチのモナリザなどなど・・当地の本や雑誌を切り抜き釉薬を塗り額装されたもの。

モッツ雑貨店
アイオイ州オコボジ湖にあった実際のモッツ雑貨店をモデルにしたミニチュア。
ダイニングルームとリビングは大きな大きな玉手箱を広げたような飾り方。
サンルームには鉢植えの花々が並ぶ。食器棚にはそろいのお皿やカップが並ぶ。テーブルに置かれたたべものは蝋で作られている。その奥の「三猿」のミニチュアは日本のもの、色鍋島、マイセン、季朝家具、店内郵便局もあり切手の消印まで押されている。

ひとつひとつに歴史があるオークションで落札された館長。
貴族や富裕者の中で流行したミニチュアの美術工芸品。
これらを日本に持ち帰り子供や大人にも見せてあげたい・・せわしい世の中だから、大人になっても子供と一緒にこどもになれる時間と場所を作る。
実行なさった館長。愛情たっぷりのはこにわ。人と人との間に生まれる新しい物語がきっと生まれるでしょう。

はこにわ公式ホームページ

東光庵


一歩外に出、ちょっと歩けば文学の香がする東光庵がある。
東西の文化サロン東光庵(箱根かるたより)
芦刈まつり、俳句大会など開催されていた場所。

 

庵主 中曽根康弘先生の句碑

くれてなお命の限り蝉しぐれ

 

政治家は一面接客業者のようだが、私は意外に人間嫌いで、孤独を楽しむ癖があった。そのとき逃避場は箱根芦之湯であった。そこに湧く碧い湯に浸かると、赤子が母親に抱かれたときの様にひしひしと大自然の恩寵に浸かった。
「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」と言うが、碧い湯は真の仏であった。
中曽根康弘俳句の世界より

東光庵 箱根町ホームページ


ドールハウスはこにわ/箱根ドールハウス美術館
〒250-0523 神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯84-55
TEL  0460-85-1321
https://hakoniwa-park.jp/

 

 

 

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