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【江戸時代の温泉番付】

 天保十一・十二年(一八四〇・四一)に編纂された「見立番付集」の中に「諸国温泉効能鑑」と言う温泉番付表がある。

 温泉の医療効果について、当時最も効能のある温泉として注目されていたものが上位に置かれている。昔の行司は今の会長に当たる。熊野本宮之湯が行司筆頭にある。当時関取の筆頭は大関であった。東大関は上州草津の湯、西の大関は摂州有馬の湯である。相州芦之湯は東前頭二枚目にあって、「ひつひせん」(疾皮癬)に効ありとある。湯本温泉は前頭九枚目で「諸病によし」、姥子は東前頭二二枚目で「眼病によし」、塔之沢は西前頭二六枚目で「ひえしょうによし」、宮之下は西前頭二九枚目で「りんびょうによし」、木賀は東前頭三〇枚目で「寸白によし」、堂ヶ島は西三二枚目で「頭つうによし」、底倉は西前頭三八枚目で「ひつ」(疾)によしとある。箱根七湯と姥子温泉まで、つまり、箱根温泉のすべてがこの番付に登載され、しかも温泉の医療効果が重く見られていたことが良くわかる。

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