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箱根のオンライン百科事典「箱ペディア」

【箱根温泉の泉質分帯】

 療養泉の分類を用いると、箱根には一七種の泉質があることはすでに述べた。温泉の起源や湧出機構を調べるには分類が細かすぎる。また、溶存成分が一グラム/キログラム以下の温泉は含まれている物質に関係なく単純 ...

【第一帯 酸性硫酸塩泉】

 中央火口丘神山の北西斜面にある大涌谷、北東斜面の早雲地獄及び駒ケ岳の東斜面硫黄山と湯の花沢などの硫気地帯の浅層地下水に当たるのがこの酸性泉である。pH2~3の酸性を呈し、陰イオンの主成分は硫酸イオン ...

【第二帯 重炭酸塩硫酸塩泉】

 この泉質は箱根カルデラの西側、湖尻~姥子付近で深さ三〇〇~七〇〇メートルのボーリング孔の開発が行われた結果見つけられた。pH6~8の中性で、重炭酸(炭酸水素)イオンと硫酸イオンを主とし、塩素イオンの ...

【第三帯 塩化物泉】

 神山東中腹の硫気地帯である早雲地獄の地下三〇〇~四〇〇メートルから東の早川渓谷に向かう三本の高温泉脈が第三帯として区別したナトリウム―塩化物泉である。湧出口での温度は九〇度C以上を示し、蒸発残留物が ...

【第四帯 混合型(塩化物重炭酸塩硫酸塩泉)】

 中央火口丘の東側に分布する温泉は第三帯の塩化物泉を除くと、すべて第四帯に属する。泉温は九〇度以下、液性はpH8~9.5の弱アルカリ性を示す。泉質はちょうど第二帯と第三帯の熱水が混合したような中間的位 ...

【箱根温泉成因モデル】

 箱根火山の地中温度構造と泉質の住みわけ(分帯)の東西非対称性、西高東低のカルデラ内の深層地下水(熱水)水頭分布から図15に示したような箱根温泉の成因モデルが描かれている。この図について少し説明を加え ...