新期カルデラをつくった破局的大噴火後、箱根の噴火は爆発力がおとろえて、粘性の高い安山岩溶岩の流出に変わる。
金時山ー幕山構造線に沿って三万年前ごろから、七個の中央火口丘が次々に生まれた。大量の軽石質火山灰を四〇万年にわたり関東地方にまき散らしてきた箱根の噴火が静穏になったのに代わって、このころから富士の噴火は激しさを増し、関東ロームと呼ばれている大量の火山灰を関東地方にまき散らすようになる。
七個の中央火口丘の内、神山だけが成層火山で、他の小塚山、台ヶ岳、陣笠山、駒ケ岳、上二子山及び下二子山は溶岩円頂丘である。
箱根の熱水系は成層火山神山の火道を中心に形成されている。溶岩円頂丘はそれぞれが単成火山体であり、地下水の流路となる割れめが少ないので地温があっても熱水系は育たない。