箱根温泉 箱ぴた 箱ペディア 【新期カルデラ形成】(図6E)

【新期カルデラ形成】(図6E)

 フィッション・トラック法の年代測定によると今から七万~五万年前、再び軽石噴出を伴う激しい噴火の時代に入った。楯状火山体の中央部で大爆発とともに総量一四立方キロメートルの軽石流を噴出させた。アブクのように発泡した軽石のマグマはカルデラから四方にあふれ出て、時速一〇〇キロメートル以上の速度で山体斜面や谷間を流れ、足柄平野を横断し、大磯丘陵の低所をこえて、秦野、伊勢原から横浜南部の戸塚にまで達した。この大爆発の直後に楯状火山の中央部に直径一〇×八キロメートルの環状割れめが生じ、火山体が陥没して、新期のカルデラが生まれた。
 楯状火山体の東側は陥没をまぬがれ、現在標高八〇〇メートルほどの平頂な孤状山稜として残された。浅間山・鷹巣山及び屏風山がそれである。新期カルデラをつくった環状断層の西側は、古期カルデラの環状断層と一致しているので、西側では新旧カルデラの二重構造をみることはできない。

図6 箱根火山成長の久野モデル(久野 1952)

表6 箱根火山層序 (久野 1952)に年代資料を加えた)

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