昭和四十五年五月五日操業を開始した事業である。労働力の不足は年々深刻となり、炊飯係の求人は特に困難な時代であった。この頃箱根に宿泊する修学旅行団体は年間六五万人を超え、旅館は炊飯係の手不足に困窮していた。そのような中で修学旅行受入旅館の多い仙石原、湖畔地区を中心に炊飯を協業化する構想が生まれ、自動炊飯器の開発をまって実施に移されたものが仙石原炊飯事業である。
仙石原炊飯センター
一、所在地 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原一八九-三
二、開始年月日 昭和四十五年五月五日
三、土地 借地面積 九三㎡(所有者 勝俣武夫)
四、建物 コンクリートブロック造亜鉛葺平家建 一棟 八二㎡ 二、八〇〇千円
五、構築物 土留、芝張 一七四
六、機械設備 連続自動炊飯器 六型一〇石用(毎時二、五〇〇食) 一 一、二五〇
昇降機付納米庫 一〇石用 一 三八〇
連続水圧洗米機 一 二八〇
貯米式送水装置 二 四五〇
充塡装置 一 五四〇
ムラシ装置 一 一、一〇〇
七、器具備品 炊飯器用釜 一一二 一、二九〇
電気びつ 二 二三
八、電話加入権 〇四六〇-四-九〇六三 一四六
計 八、四三三千円
建設資金は県・町の補助金及び借入金でまかない、その返済には減価償却引当金を充てている。昭和四十五年度において県補助金二二二万円、町補助金一六六万五千円が交付され、四十六年度には配送車両の購入費六〇万五千円に対し県補助金一七万六千五百円が交付された。
また、本事業は利用地域を箱根の上部地区に限定した事業であったから独立会計とするは無論のこと、その損益を本部会計に及ぼさぬよう、単年度決算において生ずる損金及び利益金は当年度の未収及び未払金として処理し翌期利用分量に応じて徴収または返還するよう経理上の原則を定めている。
その後損耗した機械や車両の入れかえを随時行ってきたが、事業は順調に進展し昭和五十九年度の売上は六、七四八万円となっている。