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【鳥獣保護区の設定】

 昭和五年(一九三〇)十月十日付貿易新聞は、内田清之助博士が〝箱根全山禁猟区指定について進言〟と報じている。国立公園指定の動きの中で農林省は昭和十年、中央火口丘全域を含む箱根の大半を鳥獣保護区に指定した。しかし、戦中戦後の食料不足時代には、貴重な動物性蛋白源として鳥獣は乱獲された。戦前は数万羽も芦ノ湖を中心に箱根の各地に渡って来たカモ類も昭和三十年代には数百羽に激減した。
 昭和四十四年、芦ノ湖のカモ類保護のため、西部外輪山稜線より外側へ一キロ幅に保護区が拡大され、箱根町も恩賜公園付近に餌場を設ける等保護運動の高まりにより最近はカモ類も二〇〇〇羽内外来遊するようになった。その後未指定だった外輪山内壁の一部が追加され昭和五十四年現在八五七九ヘクタールが保護区となっている。

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