早雲地獄は神山火山体の北東斜面で噴気活動を続けている。標高一〇〇〇メートル。早雲地獄の火山性水蒸気を用いて造成されている温泉が早雲山温泉の主力。造成量五六〇ℓ/分。大部分は強羅方面に供給されている。小田原から大涌谷経由湖尻行きバス四五分早雲山駅下車。強羅から早雲山ケーブルカーで九分。箱根ロープウェーの発着所。泉質、単純温泉。
明治三十年代、早雲地獄の自然湧泉を引湯し強羅で利用されたこともあったが、本格的な温泉造成は昭和三十三年箱根登山鉄道温泉事業部によって始められた。昭和二十八年七月の早雲山地すべりは大災害となった。この対策として神奈川県が施工した地下排気ボーリング孔から噴出する火山性水蒸気を熱源として温泉が造成された。早雲地獄に近づくのは危険である。
早雲地獄への登り口に建つ大雄山箱根別院は、地すべり災害後の再建。強羅国際スケートリンクは早雲山駅から約七〇〇メートル。旅館三。
(旅館・ホテルの軒数は箱根町発行「はこねの手引昭和60年版」による)