【強羅温泉】

 神山火山体北東部、早雲地獄の末端に広がる幅一キロ程の台地に開けた、木々の繁い茂る坂道が特徴の温泉地。ゴーラは梵語で石の地獄という意味と言われている。標高五五〇~七〇〇メートル。強羅駅は登山電車の終点、小田原駅より五五分。早雲山ケーブルカーの発着駅。
 明治二十七年、早雲地獄からの引湯で強羅温泉の開発に着手されたが、本格的開発は温泉付別荘分譲が始まった明治四十五年以降。大涌谷からの引湯は明治四十年完了。大正三年、フランス式庭園の強羅公園開園。大正八年、箱根湯本~強羅間の登山鉄道開通。
 現在、大涌谷からの引湯は早雲山ケーブルカー軌道の北側で、また早雲山からの引湯はケーブルカー軌道の南側の温泉施設で利用されている。泉質はいずれも単純温泉。弱い硫化水素臭を有し、乳白色を呈するのがこの温泉の特徴である。
 強羅における温泉掘削の成功は昭和二十四年である。現在の源泉数四六.泉質、単純温泉、ナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩泉、ナトリウム―塩化物泉など。温度の高い温泉ほど食塩成分に富む。最高温度九五℃
 付近の見所は強羅公園、園内には箱根自然博物館、熱帯鳥類館、高山植物園などのほかに斎藤茂吉歌碑がある。箱根美術館は日本式庭園と陶磁器の展示に特徴がある。前述の彫刻の森美術館まで徒歩一〇分。
 年中行事として強羅夏まつり(八月十四日~十六日)、最終日の十六日は明星ヶ岳の大文字焼。旅館・ホテル二二軒。

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