二ノ平は神山溶岩流の末端に位置する小さな台地。小涌谷から強羅に至る道路ぞいに温泉場が開けている。温泉施設は寮・保養所が主、一般住宅と混在しているので温泉場の雰囲気には乏しい。娯楽場的色彩を持つ。共同浴場は古くからの亀の湯がある。標高五五〇メートル。箱根登山電車、彫刻の森下車。小田原より強羅行きバス四〇分二ノ平下車。
温泉ボーリングは昭和三十八年に始まり、深さ三〇一メートルで温泉の湧出をみた。最初の利用が亀の湯。現在、源泉数一四、中央火口丘の温泉で泉質は単純温泉、ナトリウム―塩化物泉・ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉など。
昭和四十六年、彫刻の森美術館開館。以来、二ノ平はここを訪れる人々で活気に満ちている。これは日本で数少ない彫刻の野外展示が特徴でマイヨールの裸婦像をはじめ前衛的彫刻まで幅ひろく作品が集められている。明星ヶ岳をはじめ外輪山の新緑や紅葉が眼前に広がり、展示作品と調和してすばらしい。昭和五十九年にはピカソの作品を集めたピカソ館が開館。「青い帽子の女」などがある。旅館は一軒。