箱根温泉 箱ぴた 箱ペディア 【箱根温泉図】

【箱根温泉図】

 福住版「七湯方角略図」の刊行を前後に箱根七湯の各湯治場の湯宿主たちは、木版墨刷の七湯案内図をそれぞれ刊行している。堂ヶ島大和屋太郎兵衛、同奈良屋六郎兵衛、底倉蔦谷半左衛門、木賀亀屋太郎右衛門などがそれぞれ版元になっている七湯案内図は、版元は異なるが、図柄は同じであり、恐らく共通の下絵から刷りあげたものと思われる。
 また同図の文中には、「七温泉の湯場、いずれも上之米・味そ・酒・せう油其外何品にかぎらず・随分念入れ置御用弁し申候」という共通の宣伝文が摺り込んであるところを見ると、七湯の湯宿主たちが、手を携えて、七湯の共同宣伝に動き出しつつあるという感をもつ。

 先にも述べた湯宿の営業協定といい、このように七湯の湯宿主たちが地域を越えて、手を結びあい、箱根温泉への発展へ努力している姿が、やがて明治期に入り、箱根温泉宿組合という協同組合を生んでいく基礎になったのであろう。

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