温泉や鉱泉に対する税は明治の初期から国の雑種税として課されていたが、その後大正十五年の地方税法の制定によって道府県の雑種税となり、市町村はこれに附加税を課することが出来るものとされていた。その後幾度かの改正を経て、昭和二十五年シャープ勧告により市町村の法定普通税となった。
当初の税率は一日一人一〇円であったが、宿泊が二日にまたがることから、一泊の宿泊客に対しては一人二〇円を徴収し納付している。しかし昭和二十六年度からは町村との間に年税額の協定が行われるようになった。当時の記録を見ると旧箱根町の場合、昭和二十六年度の芦之湯の協定年額は一〇万円で、これを同年度の遊興飲食税協定額の割合で二軒の旅館に割当配分している。
入湯税は昭和三十一年に目的税となり環境衛生施設、観光施設などの整備に充てることになったが、町村合併後も協定による納付が行われ、現行の申告納付の制度が確立したのは昭和三十九年であった。