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箱根のオンライン百科事典「箱ペディア」

【芦ノ湖の水が早川に流れなくなる】

 芦ノ湖の水は古来早川に流れ相模湾に注いでいた。  寛文十年(一六七〇)湖尻峠の下にトンネルを作って芦ノ湖の水を静岡県側へ流し、かんがい用水としたが、この時、六月から九月までの四か月間、芦ノ湖から早川 ...

【耕牧舎と仙石原の開発】

 明治十三年(一八八〇)、渋沢栄一、益田孝らは仙石原の広大な草原を牧場経営の適地と考え、江戸時代以来村民の共有秣場の原野を神奈川県が牧畜試験地として買収してあった七三ヘクタール余の払下げを受け、渋沢の ...

【保護への第一歩
〈天然記念物「仙石原湿原植物群落」の指定〉】

 仙石原には各地に湿原があり、ノハナショブやサギスゲ、モウセンゴケやイシモチソウ等南関東には珍しい湿原植物や食虫植物が繁茂していたが、高原分譲地等の造成が進むにつれ、一挙に絶滅する危険にさらされるに至 ...

【破壊への口火】

 こうして箱根の自然保護に関する行政の第一歩が誌されたが、歴史は転換し、戦争末期になるとガソリン不足のため代用燃料のバスやトラックが開発された。  仙石原や箱根・元箱根は、小田原からのバスの運行を確保 ...

【戦後の開発競争〈開発して天に至る〉】

 昭和二十五年(一九五〇)朝鮮戦争が勃発すると軍需物資の特需景気で敗戦の悲しみや苦しみは消された。〝欲しがりません、勝つまでは!〟戦時中の長い欲求不満が爆発して国民はレジャーに殺到した。観光産業、レジ ...

【水系の汚染】

 芦ノ湖はかつて透明度一六メートルの明鏡を誇ったが、周辺の諸施設からの汚水の流入で汚濁が進行、透明度は三~五メートルに激減した。  早川は沿岸の観光施設の雑排水、浄化不十分な下水の流入で悪臭を放つ流れ ...

【行政の対応】

 開発による自然破壊を眼のあたりにした新箱根町の幹部は、亀井一郎町長を中心に、自然保護を正面に打ち出した新町建設の計画を樹立した。昭和三十九年(一九六四)三月の「観光を主体とした総合計画」――緑ととも ...

【文化財保護の立場より】

 箱根町は、昭和三十四年(一九五九)文化財保護委員会を創設、町内所在の文化財保護に取り組みはじめたが、特に貴重な動植物が開発のため絶滅するのを防ぐため町指定天然記念物として保護することとなった。  ( ...

【美化パトロール隊】

 さらに箱根町では、観光開発等による自然破壊や環境汚染に対し「観光美化推進都市」を宣言して住民の環境美化意識を高めると共に、昭和四十五年「箱根町観光美化パトロール隊の設置等に関する条例」を制定した。 ...

【鳥獣保護区の設定】

 昭和五年(一九三〇)十月十日付貿易新聞は、内田清之助博士が〝箱根全山禁猟区指定について進言〟と報じている。国立公園指定の動きの中で農林省は昭和十年、中央火口丘全域を含む箱根の大半を鳥獣保護区に指定し ...